本線車道を歩行中の歩行者の事故
ここでは、高速道路の本線車道上の歩行者が自動車に衝突された場合を想定している(歩行者が路肩等にいた場合は想定外である。)。
高速自動車国道法17条1項においては、何人もみだりに高速自動車国道に立ち入り、又は高速自動車国道を自動車による以外の方法により通行してはならないとされているから(なお、自動車専用道路についても道路法48条の5第1項に同様の規定がある。),高速道路上に歩行者がいることは法律上予定されていないものというべきである。したがって、高速道路上にいたこと自体、歩行者の重大な過失といわなければならず、相当大きな過失相殺がなされるのはやむ得ないとろでこあるが、高速道路の見とおしが比較的によいことを考慮すると、昼間であれば、自動車の側としても歩行者を発見することは必ずしも困難ではないと考えられる。そこで、自動車側にも前方不注視義務違反、あるいはハンドル、ブレーキ操作の不適切等の安全運転義務違反の過失があることを前提として基本相殺率を定めたが、歩行者の過失相殺率が大きいので加算修正はしないこととした。

| 【a】基 本 | 80(1) | |
| 修正要素 | 車の著しい過失(2) | - 10~20 |
| 車の重過失(2) | - 20~30 | |
| (1)基本相殺率が大きいので、原則として加算修正はしない。 (2)自動車側に軽度の前方不注意があることは、前記のとおり基本割合に含めて考慮しているが、著しい前方不注意がある場合には、著しい過失又は重過失として別途修正要素となる。 著しい過失としては、酒気帯び運転やおおむね20km以上40km未満の速度違反を想定しており、重過失としては、酒酔い運転、無免許運転、おおむね40km以上の速度違反等を想定している。 | ||