路外から道路に進入するため右折する場合
道路外出入車とは、駐車場やガソリンスタンドへの出入り、荷物の搬出入等のために道路から道路外に出たり、道路外から道路に進入したりする車をいう。
法25条の2は、横断や転回と並んで道路外の施設又は場所に出入りするための左折又は右折を交通の流れに逆らう運転操作として規制しているが、他の車両においても、通常の注意義務を尽くしていれば、道路外出入右左折車があることをその合図や速度の変化等により認識することが可能であるから、基本割合においては道路外出入車が法定の合図等を履行していることを前提として直進車に軽度の前方注視義務違反があることを含んでいる。
ところで道路から道路外に出るため右折しようとして導流帯(以下「ゼブラゾーン」という。)に進入した車両がゼブラゾーンを走行してきた直進車と衝突する事故、あるいは、道路外から右折して道路に入ろうとゼブラゾーンに進入した車両がゼブラゾーンを走行してきた直進車と衝突する事故が見られる。ゼブラゾーンとは、道路標識、区画線及び道路標示に関する命令9条・別表第5・番号208の2に基づき道路標示として設けられるもの(法に基づいて、交通規制の手段として公安委員会が設置するもの)と、道路標識、区画線及び道路標示に関する命令5条・別表第3・番号107に基づき区画線として設けられるもの(道路法45条1項の規定に基づいて、道路の構造を保全し、又は、交通の安全と円滑を図るために道路管理者が設置するもの)となるが、いずれも交差点等において通行する車両の安全かつ円滑な走行を誘導するために設置されるものである。ゼブラゾーンの立ち入りについては、安全地帯や立入禁止場所の場合に設けらているような禁止事項や罰則はなく、単に、車両の走行を誘導するものにすぎないが、車両の運転者等の意識としても、ゼブラゾーンにみだりに進入すべきではないと考えているのが一般的である。また、いわば駆け抜けのようにゼブラゾーンをあえて通行した車両の運転者には交通秩序を乱すものとして、ある程度非難すべきものがある。過失相殺基準としては、ゼブラゾーンを通行してくる車両の予測可能性など道路の具体的状況によって変わり得るが、おおむねゼブラゾーンを進行した直進車両10%~20%不利に修正するのが妥当であろう。

| 【a】基 本 | A 20:B 80 | ||
| 修 正 要 素 | B徐行なし(1) | - 10 | |
| 幹線道路(2) | - 5 | ||
| B合図なし | * | ||
| Bその他の著しい過失(3) | - 10 | ||
| Bの重過失 | - 20 | ||
| B頭を出して待機(4) | + 10 | ||
| B既右折(5) | + 10 | ||
| A15km以上の速度違反 | + 10 | ||
| A30km以上の速度違反 | + 20 | ||
| Aゼブラゾーン進行(6) | + 10~20 | ||
| Aその他の著しい過失(7) | + 10 | ||
| Aの重過失(8) | + 20 | ||
| (1)路外から著しく加速して飛び出す場合等である。 (2)各地の道路状況、交通事情等から常識的に判断されるところであるが、歩車道の区別があって、車道幅員がおおむね14m以上(片側2車線以上)で、車が高速で走行し、通行量の多い国道や一部の県道を想定している。特に交通頻繁な道路も含まれる。 (3)Bが左右の安全確認を著しく怠った場合や酒気帯びおよび運転等があった場合やAが警音機を吹鳴した場合等である。 (4)そろそろ出てきて道路に少し頭を出して待機した後、発進して事故になった場合である。 (5)直進車Aが左方に当たる場合(図イの場合)にのみ適用され、右方の場合(図ロの場合)にはいわば出会い頭事故であるから関係しない。Bが路外から道路に出るために右折を完了したとたんにAに追突された場合にこの修正をする。これに対し、Bが右折を完了してしばらく直進した後、追突されたときは、その間隔が大きければ完全な追突となり、その中間の場合には、本表による既右折修正をした数値と追突との中間値をとって流動的に解決する。 (6)車両の運転者等の意識としても、ゼブラゾーンを進行した直進車側に10~20%不利に修正するのが相当である。 (7)Aに著しい前方不注視や酒気帯び運転等があった場合にはその他の著しい過失として加算修正する。 (8)Aの重過失として無免許運転や酒酔い運転等が挙げられる。 | |||