行列知らずの交通事故相談所: 10.追突事故 vol.2
行列知らずの交通事故相談所
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ここでは、道路に駐停車している四輪車に後方から走行してきた四輪車が追突した事故を想定している。したがって、道路に駐停車している四輪車に後方から走行してきた単車が追突した場合は対象外である。
 法は、「車両は、道路標識等により停車及び駐車が禁止されている道路の部分等においては、法令の規定、警察官の命令又は危険を防止するため一時停止する場合のほか、停車し、又は駐車してはならない」「車両は、道路標識等により駐車が禁止されている道路の部分等においては、駐車してはならない」と規定して車両の駐停車について定め、また、法47条1項は、「車両は、停車するときは、できる限り道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。」とし、そして、同条2項は、駐車の方法として、「車両は、駐車するときは、道路の左側端に沿い、かつ他の交通の妨害とならないようにしなければならない。」と規定し、駐停車の方法を定めている。さらに、車両は、夜間道路にあるときは、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない旨規定している。しかし、法が上記のように規制しているにもかかわらず。路上の違法駐車が多く、これが事故の原因となり、駐停車車両に追突した死亡事故数、ことに近時、夜間における二輪車の駐停車車両への追突事故が増加していることもあり、違法事故の危険性が社会的にも問題とされている。違法駐車対策は、平成16年の法改正の柱のひとつされてる。
ところで、道路上に違法に駐停車した者の責任が問題となった事案においては、駐停車車両と追突車両の双方の過失割合は、(1)事故現場の状況(2)駐停車車両側の事情、駐車によってもたらされる交通の危険の増加の程度、追突車両の義務違反の程度、(3)追突の回避可能性の大きさ等事故を取り巻く諸般の個別的事情を総合的に検討した上で認定されるが、上記の個別的事情としては、①事故現場の状況(交通量・交通事情、道路の状況)、②後続車による駐停車車両の視認可能性(見とおしのよさ、明るさ、時間帯、天候、気象状況、夜間の照明の状況)、③駐停車車両のの事情(駐停車した場所が駐車禁止場所か否か、駐停車の形態、駐停車した理由、駐停車車両の大きさ、非常灯点滅、駐車灯、尾灯の点灯の有無)、④追突車両側の事情として、衝突(追突)車両の車種、速度、運転者の年齢、行動、運転状況(飲酒等)、前方後方の注視義務違反、スリップ痕、ブレーキ痕の有無、長さ、衝突者の操作ミスの有無、見とおしのよさや明るさ等の事情を挙げることができる。上記基準をもとに、事故を取り巻く諸般の個別的具体的な事情を検討した上で、過失割合を認定するほかない。



【a】基   本 A 100:B 0



視認不良(1) - 10
駐停車禁止場所(2) - 10
Bの非常点滅灯等の不灯火等(3) - 10~20
Bの駐停車方法不適切(4) - 10~20
Bの著しい過失(5) - 10
Bの重過失(5) - 20
Bの退避不能(6) + 10
A15km以上の速度違反 + 10
A30km以上の速度違反 + 20
Aの著しい過失(7) + 10
Aの重過失(7) + 20
(1)降雨、濃霧、夜間で街灯がなく暗い所等の理由により視認が不良の場合には、AからはBの発見が容易でない。

(2)法の規制に反し車両を駐停車させることで、通行の妨害をし、事故発生の危険を高めている点を考慮する。トンネル、カーブの途中、道路の曲がりかど及び坂道等においては、AからBの発見が容易でない。

(3)車両が、夜間、道路にあるときは、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならないとされているが、視認不良の状況のもと、駐停車車両が非常等点滅灯等を灯火せず、三角反射板の設置等警告措置を怠っている場合、AからBの発見が容易ではない。非常点滅灯等が点灯されていれば、Aからは駐停車車両Bの発見が容易となる。駐停車車両が非常点滅灯等の不灯火など警告措置を怠っている場合には、Aに10~20%の範囲で減算修正をするのが相当である。

(4)車両は、駐停車するときは道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。また、道路幅が狭い所、追越車線、幹線道路など交通量が多い地点に駐停車した場合には、Aの通行妨害をし、事故発生の危険を高めることは明らかである。車道を大きく塞ぐ場合には他の交通の妨害となることは明らかである。また、車両が汚れ、後部反射板の反射力が効かない場合にはAからはBの発見が容易でない。

(5)Bに駐停車についての帰責理由が存在するもの(例えば、自招事故を理由とするもの)、あるいは、駐停車車両を放置している等の事情が認められる場合には、Bの著しい過失又は重過失に当たるとしてよいであろう。

(6)故障その他の理由によりやむを得ず駐停車する場合には、道路側端に駐停車すべきであり、走行車線上で運転することが出来なくなった場合には、速やかに自動車を走行車線以外の場所に移動させるべきである。しかし、故障の内容によっては、退避することが物理上又は事実上不可能なこともあるから、このような場合には退避しなかったことをもってBを非難することはできない。

(7)Aに軽度の前方不注視があることは、基本割合に含めて考慮しているが、著しい前方不注視、酒酔い運転、運転操作ミス等がある場合には、別途修正要素となる。Bが非常点滅灯等の灯火など警告措置を採っている場合には、AからBの発見が容易であり、Aに著しい前方不注視が認められる。