信号機により交通整理の行われている交差点における事故
信号機により交通整理の行われている交差点とは、信号機の信号により、交互に一方の交通を止め、他方を通す方式による交通規制が行われている場合をいう。したがって、信号機が設置されていても、黄色や赤色の灯火の点滅信号が表示されているだけの交差点は、「交通整理の行われていない交差点」です。(一方が黄点滅、他方が赤点滅の場合につき最一小決昭44・5・22刑集23巻6号918頁、黄点滅の場合につき最一小判昭48・9・27判事715号112頁)。また、歩行者専用の押しボタン式信号機が設置され、一方道路の信号が常時青色灯火を示し、歩行者が押しボタンを操作した時だけ赤色灯火を表示する場合も、その交差道路を走行する車両に対する関係では、「信号機により交通整理の行われていない交差点」です。
以下で摘示する信号は、特に断らない限り、交差点進入直前におけるものをいうこととし、進入後信号が変わった場合については、必要に応じ修正要素として数値を与えることとした。なお、いわゆる全赤信号が一般的となり、大型交差点においても青信号で進入した車両が交差点を通過するまでに交差道路の信号機が青色となることは通常生じ得ないこととなっているので、赤信号車といわゆる青信号残り車との事故については、基準を設けていません。
赤信号車同士の事故
この場合には両者とも赤信号無視という重大な過失があり、しかも一般的には行為の危険性の点でも有意的な差はないと考えられるから、基本割合は50:50となる。

| 【a】基 本 | |||
| 修 正 要 素 | Aには何らかの過失あり又はBの明らかな先入 | + 10 | |
| Aの著しい過失(1) | + 5 | ||
| Aの重過失(1) | + 10 | ||
| Bの著しい過失(1) | - 5 | ||
| Bの重過失(1) | - 10 | ||
| (1)著しい過失の意義は、脇見運転等前方不注視の著しい場合、著しいハンドル・ブレーキ操作不適切、携帯電話等の通話装置を通話のため使用したり、画像を注視しながら運転すること、おおむね時速15km以上30km未満の速度違反、酒気帯び運転等であり、重過失とは、酒酔い運転、居眠り運転、無免許運転、おおむね30km以上の速度違反、過労、病気及び薬物の影響その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある場合(法66条違反)等の故意に比すべき重大な過失をいうが、この態様では、信号無視車両については、それ自体が重大な過失であるから、その余の過失はさほど重視されないこととなる。通常の前方不注視程度の過失は基本割合に吸収されるであろう。 著しい過失と重過失の区別に関し、速度違反については、15km以上30km未満の速度違反を著しい過失、30km以上の速度違反を重過失として扱うものとする。 | |||